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世界最大のCGカンファレンス「SIGGRAPH 2018」ドワンゴのCG研究機関「ドワンゴCGリサーチ」所員が論文を発表

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株式会社ドワンゴ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:荒木隆司)は、8月12日(日)から16日(木)までカナダ・バンクーバーにて開催されるコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH 2018」のTechnical Papers部門において、同社の研究機関である「ドワンゴCGリサーチ」(所長:西田友是東京大学名誉教授)に所属するメンバーの学術論文が2件採択され、発表することをお知らせします。
今年で45回目を迎える「SIGGRAPH」 は、ACM SIGGRAPHが毎年夏に北米で開催する世界最大かつ最も権威のあるCG 研究のカンファレンスです。本カンファレンスには毎年1万人以上の研究者・技術者が参加し、この場で発表されるCGに関する最先端の技術開発や研究成果は多くの3DCGソフトの開発に活用されています。SIGGRAPHへの論文採択は、CG研究における最大の功績といえます。

SIGGRAPH 2018に採択された論文内容

Fabricating Reflectors for Displaying Multiple Images

media

UVプリンタ1台で、見る角度によって異なる画像が現れる反射板の制作手法を提案します。これまでも、特殊なプリンタや切削機などの加工機で物体表面を加工し、所望の見た目を表現したり、反射色を制御したりする研究はありましたが、これらの既存手法では見る角度によって異なる画像を3枚以上表示する反射板を作ることはできませんでした。
提案手法では、色の反射方向を決定する凹凸形状および見える色を決めるインクの層で反射板の表面を構成します。反射方向を決定する凹凸形状は最適化によって求められ、UVプリンタのオーバープリントで形成します。そして色を決めるインクの層は、UVプリンタの制約を与えた非負値行列因子分解により求めます。
これにより、3枚以上の画像を表示できる反射板の制作が可能になります。制作には特殊な機材や材料を必要とせず、一般的なUVプリンタで印刷ができ、ステッカーやポスターなどの日用品への応用も望めます。
【論文】http://ksakurai.sakura.ne.jp/SG18/
https://s2018.siggraph.org/session/?sess=sess143

Example-based Turbulence Style Transfer

media

ある流れから別の流れへ、流体の詳細な動きの成分を転写するための方法を提案します。これまで、大まかな流れを安価なシミュレーションでデザインし、後処理的に詳細な動きを加えるための方法がいくつか提案されています。この枠組みはアニメーションの制作時間を大幅に短縮できますが、詳細な動きについてはユーザーが自由にデザインできる方法は少なく、またそれが可能な方法でも一連の計算が終わるまで結果が予想できないという欠点がありました。
提案手法では、パッチベースと最適化ベースの画像合成によく用いられる2つの方法を流体の流れに適用できるように拡張します。まず小さな矩形領域(パッチ)単位で全体の詳細な動きを合成します。ただし、そのままではパッチ間が不連続となるので、次にそのパッチ間に対して最適化ベースの画像合成手法を適用し、その不連続を解消します。また、この際物理法則を可能な限り満たすことができるようその合成手法を拡張します。
これにより、簡単かつ直観的に所望の詳細な動きを持つ流体アニメーションを作成できます。
【論文】http://nishitalab.org/user/syuhei/TurbuStyleTrans/turbu_styletrans.html
https://s2018.siggraph.org/session/?sess=sess125

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