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「令和版・日本列島改造論」や「教員のゆとり改革」など高校生が現職国会議員に訴えた政策提言とは【N/S高政治部 第2期成果発表会レポート】
2022.03.29
学校法人角川ドワンゴ学園
学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校、およびS高等学校の部活動「N/S高政治部」は、主権者教育の一環として、特定の主義主張を学ぶのではなく、社会の問題や課題について自分の力で調べ、考えられるようになることを目指し活動をしています。2022年3月8日(火)にN/S高政治部2期生による成果発表会が開催され、1年間の講義の総まとめとして、N/S高政治部特別講師の三浦瑠麗氏の指導のもと5グループに分かれた部員たちがそれぞれの政策提言を発表しました。
特別ゲストには、大塚耕平氏(国民民主党)、小川淳也氏(立憲民主党)、鈴木貴子氏(自由民主党)、村井英樹氏(自由民主党)の4名の現役国会議員の方々にお越しいただき、政策提言に対するフィードバックをいただきました。各グループの発表内容と、ゲストからのフィードバックを振り返りながら、成果発表会の全容をお伝えします。
緊張感が漂う空気の中、トップバッターを務めたAグループからの提言は「子ども食堂」に関するもの。助成金や寄付金、食材寄付に関する新しい制度の導入を盛り込んだ政策案を提示しました。アンケート調査に基づく的確な分析をもとにした提言に、ゲストの皆様からは「激しく共感する」「完璧」といったお言葉をいただきました。
続くBグループは、少子高齢化にどう対応していくべきかを論じました。かつて田中角栄氏が打ち出した「日本列島改造論」をモチーフに、道州制の導入による大規模な行政改革、立法権・徴税権を州政府に一部移行することを盛り込んだ「令和版・日本列島改造論」を提案。ゲストからの質問を経て、議論は外国人の受入や道州制の実現可能性などに及び、新たな課題の発見にもつながりました。
Cグループは、スクールカウンセラーの教員免許化について提言を行いました。現役のスクールカウンセラーを取材し、彼らが抱える課題を発見。その解決策を通じて子どもの心の健康を守ることを目指します。学校という身近な場所にいるからこそ感じるスクールカウンセラーの必要性とその待遇改善を訴える内容でした。
Dグループの提言は「熟議の政治」。参議院を改革の中心に据え、選挙文化の刷新や国会改革の必要性を訴えました。村井氏からは「これからも厳しい目で政治を見続けてほしい」という依頼を、参議院議員である大塚氏からは「身が引き締まる思い」という感想をいただきました。
Eグループは「教員のゆとり改革」をテーマにした提言でした。過酷な労働状況を踏まえ、教科指導と生徒指導に免許状を分ける「教諭の再定義」を提案しました。村井氏や鈴木氏からは、デジタル技術やアウトソーシングを活用した生産性の高め方についてアドバイスがありました。
すべての発表が終わり、三浦氏からはこれまでの特別講義で多彩な政治家や実務家、ジャーナリストの方々から考え方を学び、今回の提言ができるまでに至ったことが報告され、また、今後もいかに政治を自分事としてとらえ続けられるかが大切だと伝えられました。
最後にゲストからメッセージをいただきました。まず大塚氏からは、生徒が政治部の活動を通じて大きく成長したであろうことを確信したとしたうえで、「ぜひ、いまの気持ちを忘れずに今後も頑張って欲しい」とエールをいただきました。小川氏からは「10代20代が少数派となっている歴史上初めての時代。政治部の皆さんのように一人でも多くの若者に当事者意識を持ってもらい、社会をどう変えていくか一緒に考えていきたい」と、若い世代への期待を込めた言葉が贈られました。
鈴木氏からは、「投票に行かないという選択をした人にも理由がある。本当であれば政治の意義を一番必要としている人たちが声をあげづらい世の中になってしまっているのではないかと、信任を得る立場の者としてあらためて痛感している」と、生徒の政策提言を通じて感じた思いを語っていただきました。村井氏からは、「自分も社会に対する怒りや、世の中を変えていかねばならないという強い気持ちで政治家になった。ただそれから10年経ち、40代になってくると、一個一個の課題に対して、問題だがこういう背景があるからしょうがないという現状肯定をしている自分がいる。皆さんには、今日提案いただいたことをさらに踏み込んでもらい、どうして問題なのに解決されていないのかということを理解した上で、それでも変えなければいけないというところまで行き着いて欲しい」と今後のさらなる活動への励ましの言葉をいただきました。
なお、成果発表会の模様は、ニコニコ生放送およびYouTubeにおいて、アーカイブをご覧頂けます。
「N/S高政治部 第2期成果発表会」 概要
【日時】2022年3月8日(火)18時00分~19時30分
【ゲスト】大塚耕平(国民民主党 代表代行兼政務調査会長)
小川淳也(立憲民主党 政務調査会長)
鈴木貴子(自由民主党 外務副大臣)
村井英樹(自由民主党 内閣総理大臣補佐官(国内経済その他特命事項担当))
【特別講師】三浦瑠麗(株式会社山猫総合研究所 代表、N/S高政治部 特別講師)
【番組URL】ニコニコ生放送: https://live.nicovideo.jp/watch/lv335872302
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=hRNd8r0APlo
◆学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校、S高等学校について◆
<N高等学校 本校:沖縄県うるま市、校長:奥平博一/
S高等学校 本校:茨城県つくば市、校長:吉村総一郎>
N高等学校、S高等学校はインターネットと通信制高校の制度を活用した“ネットの高校”で、現在の生徒数は両校合わせて21,409名(2021年12月時点)。「IT×グローバル社会を生き抜く“総合力”を身につける多様なスキルと多様な体験」を掲げ、今のネット社会に合った新しい教育を実践しています。授業やレポート提出をネットで行うことで自分のペースで学べる高校卒業資格のための必修授業の他に、大学受験やプログラミング、小説、ゲーム、ファッション、料理、美容など多彩なネットでの課外授業や、全国各地で行う職業体験により、社会で役立つスキルや経験も高校時代に身につけられるカリキュラムが特徴です。ネットコース、通学コース、オンライン通学コース、通学プログラミングコースの4つのコースから選択できます。また、日々の学習は映像学習だけでなく、VRを活用した体験型の学びを行うこともできます。関連スクールには教育機会確保法に基づくN中等部、小中高生向け実践的プログラミングスクールのN Code Laboなどがあります。
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