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アニメーション制作ソフト「OpenToonz」、映画制作に導入~神風動画の初長編アニメ『ニンジャバットマン』に使用~

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株式会社ドワンゴ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:荒木隆司)は、2016年3月にオープンソースソフトウェアとして公開した2Dアニメーション制作ソフトウェア「OpenToonz」(https://opentoonz.github.io/)が、2018年6月15日に劇場公開された神風動画の初長編アニメーション『ニンジャバットマン』(監督・水崎淳平、脚本・中島かずき)の制作の一部に使用されたことをお知らせします。

OpenToonzは、イタリアのDigitalVideo社が開発した「Toonz」をもとに、ドワンゴが誰もが無償で利用でき、改良できる形に開発・公開したオープンソースソフトウェアです。OpenToonzには、長年Toonzを利用してきたスタジオジブリがカスタマイズした機能に加え、ドワンゴの人工知能技術を使ったエフェクトや、誰もがエフェクトを追加できるプラグイン機能が搭載されています。2016年の公開以降も制作現場からの要望を受け、これまで改良が行われてきました。

2D作画パートの描線処理やエフェクト合成などの撮影作業に使用

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『ニンジャバットマン』は主に3DCGを用いて制作されているアニメーション作品ですが、一部で2Dの作画を取り入れている場面があります。OpenToonzはこの作画パートの描線の処理やエフェクト合成、カメラワークなどの撮影作業に使用されました。
今回、OpenToonzが採用された理由の一つは、アニメーターが鉛筆で描いた作画のタッチを画面上に再現するためです。OpenToonzは作画を特別なデータ形式で扱っていて、鉛筆の勢いや繊細なかすれの表現に必要なハーフトーンを残したまま効率的に作業をすることができ、そこが注目されました。
また、OpenToonzはパレットシステムを採用していることから、本番彩色前の素材を使用した撮影作業の先行や作業後の色指定の変更など、仕上げ工程に戻すことなく柔軟に対応できるため、作業効率が向上しました。

■本作コンポジター 泉津井陽一氏のコメント

「OpenToonzで作業する初めての大きな作品ということで少々不安もありましたが、十分にこなすことができました。特に、終盤の作業では色修正やシート修正が多く発生しましたが、パレットによる合理的な色管理のシステムやタイムシートインターフェイス、視覚的にわかりやすいカメラワークの設定方法などに助けられ、乗り切ることができました。今回のOpenToonzのオペレーションは自分一人で行いましたが、今後は使用できる人が増えていってもっと多くの作品で使用されるようになればと思います。」

OpenToonzはこれまでも、スタジオポノック作品『メアリと魔女の花』など、様々なアニメーション作品に採用されてきました。ドワンゴは、今後も国内アニメーション産業のニーズを聞きながら、OpenToonzの開発・改良に貢献していきたいと考えています。

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Batman and all related characters and elements are trademarks of (C)DC Comics. and(C)Warner Bros. Japan LLC

<関連サイト>

●「OpenToonz」:https://opentoonz.github.io/
●「ニンジャバットマン」 公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/batman-ninja/

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