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アニメ制作ソフト『OpenToonz』を3/26公開~ジブリ作品で使われたToonzに新機能を追加し無償提供~
2016.03.18
株式会社ドワンゴ
株式会社ドワンゴ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:荒木隆司)は、この度、イタリア・ローマのDigitalVideo社が独自開発したアニメーション制作ソフト「Toonz」を買収しました。DigitalVideo社とドワンゴはこの買収について、ドワンゴが「Toonz」を元にしたオープンソースプラットフォームを開発し公開するという条件のもとに合意しています。この合意に基づき、ドワンゴは「Toonz」をもとにオープンソースソフトウェアを開発し、「OpenToonz」として誰もが無償で利用でき、改良できる形にして、3月26日(土)より公開します。
「OpenToonz」には、長年「Toonz」を利用してきたスタジオジブリが独自に開発した、「Toonz」向けの機能(※Toonz Ghibli Edition)が含まれます。これに加え、ドワンゴでは自社の人工知能技術を使った「OpenToonz」向けのエフェクトや、誰もがエフェクトを追加できるプラグイン機能を新たに搭載し、あわせて無償提供します。
ドワンゴは、「OpenToonz」を通じて、アニメーション制作に関連する様々な研究成果を即座に制作現場に生かせるようなプラットフォームを作り、学術研究と映像産業が活発に連携できるような環境を提供できればと考えています。
また、3月26日(土)・ 27日(日)に東京ビッグサイトで開催されるアニメイベント『AnimeJapan 2016』にて、「OpenToonz」の展示・説明会をKADOKAWAブースで行うことが決定しました。26日には、クリエイションステージにて『アニメーション制作ツールのオープンソースプロジェクトについて』と題したセミナーを行います。ドワンゴ会長・川上量生のほか、「OpenToonz」について共同研究を行っている東京大学大学院情報学環の岩澤駿助教、特別ゲストとしてスタジオジブリ エグゼクティブ イメージング ディレクターの奥井敦氏が登壇します。
(※)Toonz Ghibli Editionは、「Toonz」のソースコードをスタジオジブリ社内でカスタマイズしたもので、『借りぐらしのアリエッティ』以降のほぼすべての作品の仕上、色指定、撮影工程(手描きの絵をスキャンするところから、最終的な画面を組み上げるところまでの各工程)で使用されています。
■『OpenToonz』特設ページURLhttps://opentoonz.github.io/
■関係者からのコメント
<スタジオジブリ エグゼクティブ イメージング ディレクター 奥井敦氏>
1995年「もののけ姫」制作時に一部をデジタル制作する為、当時使用出来たソフトから選定したのが「Toonz」です。混在させても違和感が無く、劇場クオリティでもストレスなく作業出来る事が条件でした。以降、メジャーバージョンアップも乗り越え、より使い易く改良を重ねながら使用してきました。今回のオープンソース化にあたり、Ghibli Editionも提供出来る事になりました。アニメーション業界はもとより、より多くの人に使用していただければ幸いです。DigitalVideo社スタッフに感謝いたします。
<DigitalVideo社・マネージングディレクター/Toonz開発者Claudio Mattei氏>
Toonzをオープンソースプラットフォームにし、アニメーション業界に提供するというドワンゴとの契約は、Toonzを2Dアニメーション業界の標準にするというDigital Video社の戦略がひとつの到達地点に達したものと考えています。同時に、これは我々にとって、オープンソースビジネスモデルを推進するという新たな始まりでもあります。DigitalVideo社は既存ならびに新規の顧客に対して、Toonzのトレーニングやカスタマイズを提供することによってこれを実現していきます。我々は1995年から「Toonz」を使い続け、最も高名なユーザーでもあるスタジオジブリや、ドワンゴとともに今回の取り組みを行えることを誇りに思っております。
AnimeJapan 2016での「OpenToonz」セミナーおよび出展概要
【日 時】2016年3月26日(土)11:00 ~ 11:45
【会 場】東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)東6ホール クリエイションステージ
【テーマ】ビジネスセミナー「アニメーション制作ツールのオープンソースプロジェクトについて」
【登壇者】川上量生(のぶお)(ドワンゴ代表取締役会長)、岩澤駿(しゅん)氏(東京大学大学院情報学環 助教)
特別ゲスト:奥井敦氏(スタジオジブリ エグゼクティブ イメージング ディレクター)
※入場は、開場時間より順次受付にて整理券を配布。参加費は無料ですがAnimeJapan 2016入場料が発生します。
本セミナー以外に、3/26(土)と27(日)の2日間、メインエリアのKADOKAWAブース(J41)にて、「Open Toonz」の展示・デモンストレーションを実施。 実際にソフトウェアを体験することができます。https://www.anime-japan.jp/main/outline/