株式会社ドワンゴ

エンジニア

大垣 慶介

OGAKI KEISUKE

エンジニア[2013年新卒入社]

大学院では画像処理、機械学習を学び、時系列変動を利用した行動認識をテーマとした修士論文を執筆。niconicoに多種多様なデータが集まっていることに魅力を感じ、2013年ドワンゴに新卒入社。現在は、ドワンゴの機械学習の研究開発部門ドワンゴメディアヴィレッジ(DMV)にて論文執筆・サービス応用に取り組んでいる。

niconicoにある個人的で非効率で正解がないデータは宝の山

学生の頃はクラシックギターにはまりつつ、学問の面ではミクロ経済学に面白味を感じていたので公務員として就職することを考えていたのですが、大学3年次にプログラミングをきちんと学び始めたところ面白くてたまらなくなりました。そこからプログラミングを仕事にしたいと思い、大学院で情報学・工学をきちんと勉強することに決めました。

始めは音楽への興味から音声系のテーマを学んでいましたが、オリジナリティのある研究テーマを探すうちに、同じ時系列情報の隣接分野である手書き文字生成を研究するようになりました。そこからさらに、隣接分野である画像処理・機械学習を学び、修士論文では視線の時系列変動を利用した行動認識をテーマにしました。これらの研究テーマは、いずれも人間行動の統計的モデリングという視点で推移しています。

ドワンゴに興味を持ったきっかけは、友達に誘われてオフィスに遊びに行った際に、エンジニアの作業環境が自由で理想的な職場だと思ったことによります。niconicoを運営しているドワンゴには、趣味・嗜好・感性という、定性的で正解のない問題とそのデータが大量にあることが機械学習を用いて研究をしていた私にとって非常に魅力的に感じたから。また、機械学習では何を入力にしてどんなラベルを使うかという問題設定の作り方が最も重要な中でniconicoにある雑多なデータには色々なラベルの付け方があり、とても戦いがいのある戦場だと感じたため入社を決めました。

研究開発部門DMVでの論文執筆・サービス応用

学術研究は、アニメ・イラストデータの画像処理を主な研究テーマとして取り組んでいます。世界で初めてのデジタルのイラスト専門の大規模データセットの公開や、データセットを利用しながら主にイラスト創作支援に繋がる研究を国内外向けに発表しています。この研究「Comicolorization」は、漫画一冊単位での自動着色がテーマです。写真への自動着色手法が提案されてきているものの、私達の興味領域である漫画やイラストにうまく適用できるものが存在せず、ならば作ろうということで始めました。従来の手法では、淡い色合いで全て塗ってしまうか、同じキャラでもコマ毎に別の塗り方をしてしまうという問題があったので、キャラクターに一貫して同じ色合いで塗る手法を開発しました。また、クオリティ向上のためにあえて半自動の手法にしており、製作者は色合いの調整や領域ごとの修正をニューラルネットワークと強調しながら行うことができます。

私たちは、漫画の製作者にとっての「作業」コストを下げることで,「創作」に集中できるようにしていきたいという想いで研究を行っています。「自動着色」は一つの問題の解決であり、例えば漫画におけるコマ割りや仕上げなど、さらにはアニメーションへの発展など、この先の研究に繋がる足がかりでもあると考えています。

サービス応用についても,ここ2年間に出た論文に基づく実装をすることが多く、研究のためのサーベイや比較手法実装と全く変わらない業務だと感じます。

チームでの研究開発・ドワンゴならではの環境

チームで研究に取り組むにあたり大切にしていることは、一人にタスクや責任が集中しないようにすることです。理由は2つ、まず研究タスクは実はプログラミング・デザイン・文章力・プレゼンなどかなり多様な能力が求められるため、得意領域でカバーしあう方が効率が良いからです。そしてもう1つは仮説どおりの実験結果が出るかが非常に不確実なため、チームとして幾つかの研究を並行して進めたほうが落胆しすぎずスムーズに仕事が運びやすいこともあるからです。また様々な実験結果が出てくるとそれに従いどんどんゴールを変えていくことになるので、本当にやりたいことを見失わないようにすることも大学の研究と同様で非常に大切ですね。

ドワンゴの好きなところは、自分の専門としている技術以外のエキスパートがおり、エンジニアの中での「最低限」の水準が高いため論理的に正しいことはきちんと話を聴いてくれるところです。また家でプログラミングしているときよりも会社でプログラミングしている方が圧倒的にいろんなツールが使えることは特に気に入っています。また上司には、研究やサービスのためになるという展望を説明すれば大抵の場合、学会参加や機材購入など業務時間を予定外の活動に使うことをすぐに許可してくれるので非常に感謝していますね。

今後は研究の発展に加えて、自分たちの技術を創作支援のためのサービスにつなげることに挑戦してみたいと考えています。
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