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CGのトップカンファレンス「SIGGRAPH 2018」にブース出展ドワンゴ開発、深層強化学習を用いた人工生命のモーション自動生成技術~オープンソースで本日先行公開、誰でも体験可能に~

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株式会社ドワンゴ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:荒木隆司)は、8月12日(日)から16日(木)までカナダ・バンクーバーで開催されるコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH 2018」のSTUDIOエリアにて、同社の機械学習技術の開発・研究を行っている部門「Dwango Media Village」が開発した、強化学習を用いた人工生命のモーション自動生成技術を出展することをお知らせします。

「SIGGRAPH」 は、1974年から毎年北米で開催されている世界最大かつ最も権威のあるデジタルメディア・デジタルコンテンツに関するカンファレンスです。同カンファレンスでは、学術的研究、芸術、教育など、CGに関するあらゆる最先端技術が集結し、CG界のノーベル賞とも呼ばれる「クーンズ賞」が長年大きな貢献を続けてきた研究者に与えられます。
今回ドワンゴは、来場者が人工生命の育成シミュレーションを体験できる展示ブースを展開します。また、カンファレンスに先駆けて、出展内容の一部を本日オープンソースで公開しました。

SIGGRAPH 2018で展示される研究内容

ドワンゴはこれまで、AIを利用して思考アルゴリズムを習得する自律学習型人工生命「LIS(Life in Silico)」の開発や、同アプリケーションの調教方法を競う「超人工生命ハッカソン:みんなで人工生命を育てよう!」を開催するなど、人工生命に関する基礎研究や取り組みを行ってきました。その一環として今回、「Real-Time Motion Generation for Imaginary Creatures Using Hierarchical Reinforcement Learning」と題して、深層強化学習を用いたモバイル端末上での人工生命のモーション自動生成技術の公開に至りました。
本研究では、地球上には存在しない形の人工生物が、その身体の動かし方および環境への適応の仕方をリアルタイムに学習するための深層強化学習手法を提案します。通常では、強化学習を用いて個体が動きながら同時に学習を行う場合、計算コストが高くなり、処理能力の高い計算機が必要です。今回の提案手法では、比較的シンプルな探索アルゴリズムを用いて体の動かし方を学習する「Motion-Maker」と、強化学習を用いて“群れる” “食料をとる”といった高次の決定を学習する「Decision-Maker」の異なる二層の学習器でシミュレータの中核を構成します。これにより、それぞれの学習器はそれぞれの学習対象を効率的に学習し、スマートフォン程度の計算機でも数十体の生命が同時に学習しながらシミュレーションすることを可能にします。
多様な形状を持つ生命の動きのシミュレーションでは、人が思いつかないようなモーションをリアルタイムで観察することができ、得られた有益な知見はアニメーションやコンピューターゲーム分野などでの応用が期待されています。

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SIGGRAPH会場で展開する体験コーナーでは、来場者はシミュレータ上で人工生命を組み合わせてオリジナルの人工生命を作成し、それらが目の前で動き方を学習し、進化しながら生き残っていくさまを観察できます。さらに、体験コーナーで作成された人工生命は、一つのサーバーに取り込まれ、異なる来場者が作成した人工生命同士のインタラクションを楽しむことができます。
本日公開のオープンソース版では、開発環境「Unity」で誰でも人工生命の作成・育成を体験できます。(下記、OSSプロジェクト「RLCreature」公開先ページ参照)

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